TECHNICAL SERVICE 01

孔内計測サービス

レアックスは、自社開発による孔内可視化ツールや孔内計測ツールを用いて
的確な地質情報をご提供します。

BIPS-ボアホールカメラ【展開画像タイプ】

走向傾斜を導き出す
高精細な360度孔壁展開画像を記録

調査ボーリング孔を利用して岩盤の構造を調査する場合には、BIPS(Borehole Image Processing System)を利用したボアホールカメラ観察が最適です。BIPSの360度孔壁展開画像により、孔壁の不連続面の走向傾斜や割れ目の幅を正確に計測することができます。

適応対象
  • ダムサイトの地質調査
  • 岩盤に対するグラウト効果の確認
  • 地下空洞周囲に発生した弛みの把握
  • 岩盤斜面の弛み範囲の把握
解析データ例

孔壁展開画像

明瞭な堆積構造と割れ目(周方向360ピクセル / 深度方向0.5mm)
開口割れ目から流出するセメントミルク(周方向360ピクセル / 深度方向0.5mm)

その他のアウトプット

  • コアイメージ
  • インデックスプリント
  • 不連続面一覧表
  • 見かけ傾斜図
  • 岩盤状態図
システム構成
【カメラプローブ】
防水φ50mmプローブ。歪みの少ない円錐鏡を採用。照明は白色LED。
【ウインチ】
電動モーターでケーブルを降下・上昇させることでプローブを移動させる。
【コントローラー】
プローブとのデータ通信や、円周画像からの展開画像へのデジタル処理、プローブへの電力供給などを行う。
【深度カウンター】
ケーブルを吊り下げる滑車機能と同時に、その回転量から降下深度を測定する。
【ノートパソコン】
計測アプリケーションを起動し、計測時のオペレーションおよび展開画像データの記録などを行う。
仕様[BIP-6]
項目BIP-6
画像出力Digital/NTSC、USB2.0
水平解像度360/720/1440/2880 pixel
深度解像度0.1mm
計測スピード108m/h(深度解像度0.5mmの場合)
プローブセンサー方位/重力センサー
プローブサイズ外径φ0.5mm、全長970mm、重量6kg
計測長200m(最大500m)
電源AC100-240v
駆動方式モータ駆動(降下/引上げ)/手動

ボアホールカメラ【前方側方視タイプ】

前方・側方の撮影が可能な対象直視型の複合ビデオカメラ

前方・側方(回転)ライブ画像を基に、井戸の仕上がりや閉塞状況などの観察が行えます。地下空洞調査、孔内落下物の状態観察、煙突内部観察などにも利用実績があります。


適応対象
  • 井戸の健全性調査および原因調査
  • 地下空洞調査
  • 孔内落下物の状態観察
  • 煙突内部の劣化度調査
撮影サンプル画像
【前方視画像】スクリーンの状態観察
【側方視画像】スクリーンの目詰まり観察
仕様
項目前方側方視タイプ
動作温度0~40℃
適用孔径φ86~400mm
カメラプローブ外径φ60mm L=700mm
計測延長標準200m(最大500m)
適用可能な地下水状況清水、泥水
電源AC100V
外部出力NTSC(BNC端子)
オペレーション専用ノートPC
記録媒体ハードディスク・外部ビデオ

超音波イメージング

超音波を用いた
ボーリングの孔壁観察

超音波を発射し、孔壁からの反射強度と反射時間から2種類の擬似的な孔壁展開画像を作成。濁水中も使用できる他、断層や地盤改良などの地質の硬軟の相対評価も可能です。


原理と特徴

超音波式イメージングでは、超音波ビームで孔壁をらせん状にスキャンし、孔壁の反射強度や反射時間をもとに孔壁展開画像を作成することが可能です。Ultra-Sonic ScannerやAcoustic Televiewer とも呼ばれ、ボーリング孔内が超音波伝播物質である清水や泥水で満たされる場合にのみ適用できます。

超音波画像検層のイメージ図
計測原理
解析データ例
ボーリング孔内の水が濁っていても孔壁展開画像を基に、砂礫層の区間や礫率、ラミナなどの堆積構造を評価することができます。
超音波式イメージングと可視光デジタルスキャニング画像比較




左画像)可視光デジタルスキャニング画像
右画像)超音波式イメージング

仕様
項目BIP-Ⅴ USS
[φ50mmプローブ]
MSI ATV
[QL40 ABI]
プローブ寸法等φ50mm,L=930mm,5.9kgφ40mm,L=1750mm,6.7kg
適用深度(ケーブル長)最大300m最大500m
適用孔径φ66~148mm※1φ64~152mm※1
適用角鉛直孔原理上制約なし
ただし、現状は鉛直孔のみ対応
動作温度最大40℃まで最大70℃まで
耐水圧5Mpa
(約500m水圧相当)
20Mpa
(約2000m水圧相当)
周方向分解能(Pixel)36072,144,216,288,360
(5段階)
キャリパー分解能0.03mm(高精細:14bit時)
~1.92mm(標準:8bit時)
0.08mm
標準記録速度0.6m/min0.4m/min
取得データ反射強度、反射時間反射強度、反射時間、地磁気式孔曲り
※1理論上は孔径400mm程度まで計測可能

孔曲り計測【3軸ジャイロ式/3軸地磁気式】

解析・観測精度の向上に
ボーリング軌跡の可視化

ジャイロ式あるいは地磁気式の孔曲り測定器を用いて孔の姿勢を連続的に計測し、ボーリング調査・工事の精度向上や品質確保に役立つデータを提供します。

背景

ボーリング調査では、地質構造解釈や物理検層結果・観測値などに対する精度要求が高まっています。しかし、地下領域は直接目視することができないため、ボーリング孔の出来形要素である到達地点・曲がり具合等の幾何学的性状については実測されず、孔口付近での測量結果や設計値を”正とみなす”ことが少なくありません。
孔曲り測定では、鋼管内や磁性体が付近にある場合には「3軸ジャイロ式」、ボーリング裸孔などの磁性の影響が無い場合は「3軸地磁気式」を使用し、ボーリング孔の出来形を検証し、調査・解析精度の向上に役立つデータを提供いたします。

特徴と仕様
項目地磁気式ジャイロ式
基本成果ボアホールの傾斜角と方位ボアホールの3次元座標
長所絶対方位を測定可能
連続測定時間に制約なし
地磁気に影響を及ぼす環境下
で使用可
短所地磁気に影響を及ぼす環境下※1
で使用不可
絶対方位を測定不可
連続測定時間に制限あり
製品名QL40-DEV(MSI社製)TUG-NAVI(多摩川精機製)
搭載センサ3軸地磁気センサ
3軸加速度計
DTG3軸ジャイロセンサ
3軸加速度計
精度1/100~1/200(誤差/測定長)1/500(誤差/測定長)
プローブ諸元直径40㎜、長さ715㎜、重量3.4 kg直径56㎜、長さ680㎜、重量6 kg
耐水圧・温度耐水圧2000m相当/0~70℃耐水圧500m相当/-20~50℃

解析データ例
3D表示
水平投影図
断面投影図
方位・傾斜グラフ

孔径計測【機械式/光学式】

孔径変化や孔壁変状の把握に
可視化技術を応用した新しい検層技術

孔径計測はボーリング孔や井戸の孔径変化や孔壁変状の把握、他の検層結果の解釈・校正などを目的に実施されます。機械式アームを用いた手法はキャリパー検層として広く知られています。一方、ボアホールカメラを用いた光学式孔径計測(略称:光学式キャリパー)は、孔内可視化技術の応用として、2018年に当社が提案した新しい検層技術です。NETIS登録【光学式孔径計測技術 / HK-230011】

光学式キャリパーの計測原理と特徴

プローブ先端から孔壁に照射した水平レーザを魚眼レンズ搭載のボアホールカメラで撮影し、撮影画像のレーザ出現位置をもとに孔壁までの距離に換算します。これにより、ボーリング孔や井戸の変形具合や孔壁状態を把握できます。
本手法は井戸メンテナンス調査やボーリング孔の出来形検査に適用できます。特徴は次の通りです。

● 孔の形状(断面)をリアルタイムで視覚的に把握できる。
● 深度方向の定方位の孔径情報を連続的に取得できる。
● 孔壁に非接触なので孔壁に与えるダメージが小さく、ひいては測定器の孔内抑留リスクも低減できる。
● 孔内画像も孔径計測と一連の流れの中で取得可能(※同時ではありません)

孔内模式図
撮影画像模式図
赤色レーザー照射状況
仕様
項目アーム式(従来技術)光学式
取得データ直交2軸(方向不明)360度全周(定方位)
深度方向密度1~100cm0.1~1cm
適用孔(傾斜)鉛直下向き孔鉛直下向き孔
適用孔(孔径)70~450mm65~160mm(検証範囲)
適用孔(温度)0~80℃0~40℃
精度1mm0.5~2mm(分解能)
プローブ外寸直径45mm、長さ2189mm、重さ14kg直径60mm、長さ1080mm、重さ5.6kg
孔内水の影響なしあり(距離換算の条件変更)
備考●孔壁にアームを密着
●引き上げ計測のみ
●原理的に孔壁に非接触
●孔内水の濁り等で孔壁を視認
できない場合、測定不能

光学式キャリパーの解析データ例

撮影画像と断面スライス

孔内観察モードと孔径計測モードの切り替えが可能です。孔径換算は孔径計測モードで撮影したときのみ有効です。

鉛直100mのボーリング孔でのアーム式と光学式の平均孔径を比較した結果です。両者は概ね同じ値を示しています。
光学式キャリパーの成果品の例で、最小径・最大径、平均孔径・棄却率、断面スライス形状を示しています。棄却率は、平均孔径を求める上で設定した、想定距離から外れたデータの1m毎の存在割合です。